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ライティング
2017/08/15
ないものを証明することの難しさ
ないものを証明することの難しさ
悪魔の証明という言葉をご存じでしょうか。
新約聖書の一説で、サタンがイエスを試した逸話から来ている言葉といわれています。
字面だけ見ると、宗教・オカルト系の言葉のようですが、専ら「ある事実・現象が無いこと・起きないことを確定することは不可能に等しい」という意味です。

「起きないこと」や「存在しないこと」の証明は、その逆である「ある(起きる、存在する)こと」の証明と比べ非常に困難です。なぜなら、「ある」ことは、一例を挙げるだけで証明できるものの、「ない(存在しない、起きない)」ことは、その定められた範疇を全て調べ尽くさなければならず、実質それは不可能であるからです。例えば、「日本に狼はいない」と証明するには、日本国内全域を探索する必要があります。

そのため何かの有無について議論を行う場合、まずは「ある」と主張した者が先に証明しなければなりません。これを逆、つまり「先に『ない』ことを主張しできなければ『ある』」と主張することが、「悪魔の証明」と呼ばれるのです。

何かを主張するにしても、証拠もなく一方的に騒ぎ立てるのでは火をつけて回っているようなもの。インターネットが普及し、SNS等で誰でも意見を発信できる時代になりました。情報の真偽を確かめることが難しい現代だからこそ、自身の言葉には責任を持ちたいものです。
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